2023年4月28日 モーレツからビューティフルへ。 [カメラ]

PENTAX *Ist-D FA35mm
写真は、ペンタックスのデジタル一眼レフカメラ初号機の*Ist-Dの、所謂撮って出しのJPEGデータだ。EXIFに記録された撮影日は20年前のそれである。
世界に先駆けたフルサイズDSLRは、センサー製造元のフィリップスとのゴタゴタもあって幻となり、仕切り直しのAPS-CDSLRは登場が少し遅れたのだった。やってみて分かったデジタルカメラの難しさと、開発担当は当時言っていた。
そして20年を経た今日、K-3MkIII Monochromeが発売となった。白黒写真しか撮れないカメラだ。正しく言うと白黒写真”が”撮れるカメラだ。フォトグラファーとして、琴線に触れるという言い回しを深く納得するのである。
そして、なんとなく、『モーレツからビューティフルへ』と言うあの名コピーも思い出した。
2023-04-28 19:57
2023年2月6日 されど、カメラ。 [カメラ]

Apple iPhone 8
一般社団法人カメラ映像機器工業会(CIPA)が「フォトイメージングマーケット統合調査:国内編」の結果を公開した。
なんともお堅いリポートではあるが、要は全能のスマホ全盛期にあって何故カメラを使うのかという問いと答えだ。なんとなくゼウスにむかうペルセウスの苦慮を質しているような気がするのは兎も角だ。昨年10月にweb上で行ったデジタルカメラユーザーの10~70歳代への調査ということである。web上とか本調査1000名、予備調査14,306名というサンプル数等をどう受け止めるべきか解らないけれど、序文には引き続きカメラという商材の力強さを確信させるとあるので、きっと、カメラはまだ大丈夫という結果なのだろう。
とは言え、なぜカメラを使い続けるのかとの哲学的『問い』へのフリーアンサーでの上位の答えは、確かに比較論としてのカメラの魅力は表現し難い故にか、些か曖昧模糊としている。ちなみに「高画質」という答えは6位だ。
気になったのが10位の「すぐ撮れる」という答え。以前、随分前、それが新発売になる頃ニコンカレッジ講師陣に対するニコンのKeyMission開発陣によるプレゼンテーションがあった。僭越にもその場でその全てをコキ下ろさせて頂いたのだけれど、大きな綺麗なモニターでrawでも撮れるiPhoneのほうが優れているという指摘については、開発者は「iPhoneはカメラアプリを起ち上げないと写真が撮れない、KeyMissionはスイッチオンですぐ撮れる、カメラだから。」と憮然として反論してきたのを思い出した。
今にして、なるほど、そうなのか。
とは言え、なぜカメラを使い続けるのかとの哲学的『問い』へのフリーアンサーでの上位の答えは、確かに比較論としてのカメラの魅力は表現し難い故にか、些か曖昧模糊としている。ちなみに「高画質」という答えは6位だ。
気になったのが10位の「すぐ撮れる」という答え。以前、随分前、それが新発売になる頃ニコンカレッジ講師陣に対するニコンのKeyMission開発陣によるプレゼンテーションがあった。僭越にもその場でその全てをコキ下ろさせて頂いたのだけれど、大きな綺麗なモニターでrawでも撮れるiPhoneのほうが優れているという指摘については、開発者は「iPhoneはカメラアプリを起ち上げないと写真が撮れない、KeyMissionはスイッチオンですぐ撮れる、カメラだから。」と憮然として反論してきたのを思い出した。
今にして、なるほど、そうなのか。







タグ:KeyMission NIKON
2023-02-06 18:35
2022年12月21日 遺産と伝承。 [カメラ]

ASAHI PENTAX SP KOMURA 24㎜ NEOPAN SSS


遠い記憶の写真だ。1976年の国鉄ストの時の、池袋駅東口である。タクシー待ちの行列の向こうに巨大なアサヒペンタックスSP(SL?)が回っていた。
そんなペンタックスが、つまりリコーイメージングがフィルムプロジェクトスタートと発表をした。勿論2022年の”今”だ。1976年当時だったら、いまさら何それだけれど、”今”であっても、やっぱりいまさら何それだ。
この期に及んでフィルムカメラを新規に開発するのだという。遂に居直ったかペンタックスである。蛇に睨まれた蛙とか窮鼠猫を嚙むとかと、つい思い浮かんだ。
大義として技術の承継を目的という。カメラは本来精密機械だ、特に一眼レフフィルムカメラの構造とその動作はかつての技術大国ニッポンの象徴だった。ミラーレスデジタルカメラが主流となり失われつつあるそれを承継する為に残された時間は確かに少ない。一眼レフ専門宣言のペンタックスとして更に思いを深化させたという事だろう。
近年の社風の変化になんとなく疎遠だったのだけれど、らしいペンタックスが帰ってきたようで少し嬉しい。とは言え、ミラーレスデジタルカメラが間違いのないカメラの未来である中、フィルムカメラが承継し再生すべき技術遺産なのかは甚だ疑問だ。
まずはフィルムコンパクトカメラからという事だけれど、出来ればデジタル版のESPIO miniが欲しいなあ。







2022-12-21 17:43
2022年11月9日 昨日は442年ぶりに。 [カメラ]

FUJIFILM X-T2 SMCP A*200㎜
皆既月食に更に天王星食である。

FUJIFILM X-T2 SMCP A*200㎜
皆既月食に更に天王星食である。
昨晩の事ではあるが、442年ぶりだとか次回は322年後だとか世の中大騒ぎなうえ、雲一つない快晴の夜空と、ついつい強迫観念に駆られてカメラを用意してしまうのであった。小心者だからね。
皆既月食中に天王星が月に隠れるったって、「すいきんちかもくどってんかいめい」なんだから太陽系の遥か果ての惑星の食なんてどうせ・・と高を括りながらもショックが少ない方が良かろうとミラーレスのX-T2をセットするのは、そこは職業病だ。レンズは写りが優れていたとはいえペンタックスのA*200㎜と世紀の天文ショーに対するに旧式装備な点は相変わらずではある。
果たして、天王星食は写った。今更ながらデジタルカメラの撮像センサーの高感度ぶりには感服である。442年なんていう時間に比べれば、十分最新機材だ。拡大するとメタンガスのこの惑星がしっかり青く写っている、のは、まあそれはきっと偶々だろうけれど。
皆既月食中に天王星が月に隠れるったって、「すいきんちかもくどってんかいめい」なんだから太陽系の遥か果ての惑星の食なんてどうせ・・と高を括りながらもショックが少ない方が良かろうとミラーレスのX-T2をセットするのは、そこは職業病だ。レンズは写りが優れていたとはいえペンタックスのA*200㎜と世紀の天文ショーに対するに旧式装備な点は相変わらずではある。
果たして、天王星食は写った。今更ながらデジタルカメラの撮像センサーの高感度ぶりには感服である。442年なんていう時間に比べれば、十分最新機材だ。拡大するとメタンガスのこの惑星がしっかり青く写っている、のは、まあそれはきっと偶々だろうけれど。



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2022-11-09 20:12
2022年9月9日 SバッチのないH2。 [カメラ]

Apple iPhone 8
富士フイルムのX-H2である。
先行していた速度のX-H2Sに半年ほど遅れて、高画素のX-H2が発表になった。
40MPというのはAPS-Cサイズセンサーでは最高らしいのであるけれど、普段NikonD850を使っている身としては、まあ、そんなもんじゃない?というのが正直なところだ。ベイヤー配列ではない些かクセのあるカラーフィルターがウリのX-TRANSセンサーを力業でピクセルシフトのマルチショットで160MPで記録できる。
持ちやすいせいか、軽い。小型軽量で軽快なカメラだ。所有のX-T2より軽く感じる。なにより、無意味にダイヤルが並んだクソみたいな操作性が、GFXと同様なものに改められたのは大歓迎だ。X-T2を覗き慣れた目にはファインダーも背面液晶も滑らかでキレイだ。けれどX-T4ユーザー曰くカクつきが気になるとのことなので、そうかもしれない。
やっとマトモなAF-ONボタンが付いた。さすがにAFの追従は、積層型センサーのS付きより劣るようだけれど、十分だ。ただポストビューで滑らかな背面液晶で拡大するとなんとなく甘い、ま、これはきっと何か設定不足なんだと思っておこう。
動画撮影時のタリーランプが相変わらず見づらい。前面のAF補助光兼用はともかく、X-T2と同じ親指グリップ部のアクセスランプ兼用は相変わらず見づらいままなのは残念だ。MF時のフォーカスメーターという新機能、これは良い。フォーカスポイントに半円のメーターが表示されピント位置が指針で示される。ピーキングと併用するとなんて便利、少しだけ邪魔だけど、これは良いよ。
カメラボディと一緒に56㎜F1.2レンズが発表になった。現行より大きくなったというけれど、フルサイズ版の85㎜からすれば、すごく小さく軽い。X-H2に装着すると楽しくなるほど軽快だ。11枚というまるで大判レンズのような絞り羽は小絞りまで円形だ。ミラーレスカメラならではの利点を生かした素晴らしい機能だ。もう一回り大きくて良いから、もう少し前玉が大きかったらと思ってしまうのは、せっかくのF1.2開放での口径蝕が些か気になるから。
X-H2Sやメカニカルシャッターを廃したNikon Z9を知ってしまうと積層型センサーによるローリングシャッターの高速化にひどく魅力を覚えてしまう。とは言え画質を追及すると、今はまだ裏面照射の通常型センサーなのだろう。その悩ましい選択を2機種並べてユーザーに委ねた富士フイルムは、なかなか罪深い。
先行していた速度のX-H2Sに半年ほど遅れて、高画素のX-H2が発表になった。
40MPというのはAPS-Cサイズセンサーでは最高らしいのであるけれど、普段NikonD850を使っている身としては、まあ、そんなもんじゃない?というのが正直なところだ。ベイヤー配列ではない些かクセのあるカラーフィルターがウリのX-TRANSセンサーを力業でピクセルシフトのマルチショットで160MPで記録できる。
持ちやすいせいか、軽い。小型軽量で軽快なカメラだ。所有のX-T2より軽く感じる。なにより、無意味にダイヤルが並んだクソみたいな操作性が、GFXと同様なものに改められたのは大歓迎だ。X-T2を覗き慣れた目にはファインダーも背面液晶も滑らかでキレイだ。けれどX-T4ユーザー曰くカクつきが気になるとのことなので、そうかもしれない。
やっとマトモなAF-ONボタンが付いた。さすがにAFの追従は、積層型センサーのS付きより劣るようだけれど、十分だ。ただポストビューで滑らかな背面液晶で拡大するとなんとなく甘い、ま、これはきっと何か設定不足なんだと思っておこう。
動画撮影時のタリーランプが相変わらず見づらい。前面のAF補助光兼用はともかく、X-T2と同じ親指グリップ部のアクセスランプ兼用は相変わらず見づらいままなのは残念だ。MF時のフォーカスメーターという新機能、これは良い。フォーカスポイントに半円のメーターが表示されピント位置が指針で示される。ピーキングと併用するとなんて便利、少しだけ邪魔だけど、これは良いよ。
カメラボディと一緒に56㎜F1.2レンズが発表になった。現行より大きくなったというけれど、フルサイズ版の85㎜からすれば、すごく小さく軽い。X-H2に装着すると楽しくなるほど軽快だ。11枚というまるで大判レンズのような絞り羽は小絞りまで円形だ。ミラーレスカメラならではの利点を生かした素晴らしい機能だ。もう一回り大きくて良いから、もう少し前玉が大きかったらと思ってしまうのは、せっかくのF1.2開放での口径蝕が些か気になるから。
X-H2Sやメカニカルシャッターを廃したNikon Z9を知ってしまうと積層型センサーによるローリングシャッターの高速化にひどく魅力を覚えてしまう。とは言え画質を追及すると、今はまだ裏面照射の通常型センサーなのだろう。その悩ましい選択を2機種並べてユーザーに委ねた富士フイルムは、なかなか罪深い。








2022-09-09 20:54
2022年8月19日 世界写真の日。 [カメラ]

Apple iPhone 8
ともかく、毎日は何らかのナントカの日なのである。
とは言え、今日は大切なナントカの日だ。それは世界写真の日。つまりダゲレオタイプが発表された日だ。
1839年8月19日、ルイ・ジャック・マンデ・ダゲールが自ら発明した実用的写真撮影技法をフランス学士院で発表したとされている。大袈裟に言えば我が生業はこの日無くしては語れないのである。もっとも、学生時代ダゲレオタイプやカロタイプ、コロジオンだのニエプスだと散々学んだ歴史を鑑みれば、遅かれ早かれその頃に写真は生まれるのは間違いない。
2022年の今、写真は”賢い携帯電話"で、サッと、撮影できる。構図さえ留意すればピントも、露出も、色も、そして飛び去る飛行機も”ほぼ”見た通りに写る。それがダゲールの想った写真と同じなのかは分からないが、写真を撮ることは何ら特別な事ではなくなった。
ニチゲーの写真学科の学生だった時、アメリカのジョージ・イーストマンハウスから、つまりそれはコダックの博物館から大学に依頼された古い写真に写る場所の検索を行ったことがある。それはペリー艦隊の乗組員の子孫からの要請で日本で命を落とした先祖たちの墓地を写した写真のその場所を探してほしいという事だった。
あっさりと、写真に写るその墓地は日本初のアメリカ領事館の置かれた寺で見つかった。時の流れこそあれそのままの姿でそこにあった。そしてもっと驚いたのが、その寺にはペリーやハリスのその時の『写真』もたくさん残されていた事だった。あまりに貴重で、大切に保管してくれるよう伝えたのみだったが、”写真”は時を経ると”歴史”になることを改めて思った。
1839年8月19日、ルイ・ジャック・マンデ・ダゲールが自ら発明した実用的写真撮影技法をフランス学士院で発表したとされている。大袈裟に言えば我が生業はこの日無くしては語れないのである。もっとも、学生時代ダゲレオタイプやカロタイプ、コロジオンだのニエプスだと散々学んだ歴史を鑑みれば、遅かれ早かれその頃に写真は生まれるのは間違いない。
2022年の今、写真は”賢い携帯電話"で、サッと、撮影できる。構図さえ留意すればピントも、露出も、色も、そして飛び去る飛行機も”ほぼ”見た通りに写る。それがダゲールの想った写真と同じなのかは分からないが、写真を撮ることは何ら特別な事ではなくなった。
ニチゲーの写真学科の学生だった時、アメリカのジョージ・イーストマンハウスから、つまりそれはコダックの博物館から大学に依頼された古い写真に写る場所の検索を行ったことがある。それはペリー艦隊の乗組員の子孫からの要請で日本で命を落とした先祖たちの墓地を写した写真のその場所を探してほしいという事だった。
あっさりと、写真に写るその墓地は日本初のアメリカ領事館の置かれた寺で見つかった。時の流れこそあれそのままの姿でそこにあった。そしてもっと驚いたのが、その寺にはペリーやハリスのその時の『写真』もたくさん残されていた事だった。あまりに貴重で、大切に保管してくれるよう伝えたのみだったが、”写真”は時を経ると”歴史”になることを改めて思った。









2022-08-19 20:44
2022年7月29日 ハッピーバースデイの日。 [カメラ]

Fujifilm X-T2 XF18-55mm
セルフポートレートである。誕生日だから。
雲一つない力強い太陽光が描き出すセルフポートレートだ。夏だから、眩しいほどの照り返しとくっきりとした影だけで。
こんな時、些か古いX-T2のファインダーは少し冷静な”見え”だ。それはつまり、照り返しがバーンとシャドウがグーッとなどと盛り上がる写欲をなだめるような、言わば大人しい見えになるのである。
センサーが捉えた光の量をうまい具合に調節してファインダー内のディスプレイに表示しているのがミラーレスカメラの道理だ。そこが直接ピントグラスにあたる光を見ている一眼レフカメラとの一番の違いである。肉眼で感じたモチベーションをほどほど引き継いでくれるのが一眼レフのファインダーという事だ。とは言えレフだろうがミラーレスだろうが結局ミラーレスカメラのファインダーで見たように写るのである。デジタルカメラだから。
写真家のモチベーションを維持してくれるファインダーが備われば、ミラーレスカメラは理にかなったカメラだ。ここにきて急にあちこちで一眼レフ開発終了が話題になっているのは、きっと写真家を盛り上げてくれるエレクトロビューファインダーが出来上がったから、だろう。
こんな時、些か古いX-T2のファインダーは少し冷静な”見え”だ。それはつまり、照り返しがバーンとシャドウがグーッとなどと盛り上がる写欲をなだめるような、言わば大人しい見えになるのである。
センサーが捉えた光の量をうまい具合に調節してファインダー内のディスプレイに表示しているのがミラーレスカメラの道理だ。そこが直接ピントグラスにあたる光を見ている一眼レフカメラとの一番の違いである。肉眼で感じたモチベーションをほどほど引き継いでくれるのが一眼レフのファインダーという事だ。とは言えレフだろうがミラーレスだろうが結局ミラーレスカメラのファインダーで見たように写るのである。デジタルカメラだから。
写真家のモチベーションを維持してくれるファインダーが備われば、ミラーレスカメラは理にかなったカメラだ。ここにきて急にあちこちで一眼レフ開発終了が話題になっているのは、きっと写真家を盛り上げてくれるエレクトロビューファインダーが出来上がったから、だろう。
2022-07-29 23:21
2022年6月16日 そう言えば、そうそう。 [カメラ]

Fujifilm X-T2 XF18-55mm
富士フイルムのX-T2の話だ。
新型のX-H2ではない。いまさらのX-T2のことである。
APAの新製品セミナー用のテストが初対面で、魅力に惹かれつい購入から5年も経過しているのではあるけれど、だからと言って画質が低下しているわけも無く、当然、現役である。だから、お仕事のメイン機材な、まあこれも薹が立った、ニコンD850は些か大仰なので、何かしらの被写体を期待しての散歩にはコンパクトなX-T2と帰納的三段論法に落ち着くのである。
それが購入の決め手になった、相変わらずニヤニヤしてしまう、ACROSのフィルムシミュレーションにセットして出かける。幸いにも昨今のマスク生活のおかげでニヤニヤしながらカメラを持って徘徊する怪しい人物という状況は回避しているつもりであるが、ファインダーでリアルタイムに見える現実のすべてが、『ACROS』で撮って紙焼きした白黒写真に見えるこのセッティングにはやはりニヤニヤが止まらない。
ファインダーを覗くと期待通りのモノクロ画面に、赤いピーキングが表示されたままだ。ともかく親指AF用にアサインした酷く押し難いAF-Lボタンを押せばピントは合う。あれ?こんなだっけ、と違和感持ちつつ撮影を続けるのはきっと呑気な性格の利点だ。で、結局それはボディ前面の酷く操作性の悪いフォーカスモードレバーがMFになっていたことが原因だった。そう言えばそうそう、MFモードでもアサインされたAF-ONボタンで所謂ワンショットAFが出来るのだったと、思い出したのは帰宅後のこと。
X-T2は良く出来たカメラだけれど、『写真機』としては呑気な性格をもってしても操作性は最低だ。頭に描いたイメージに被写体を昇華させるべく集中しているさなかあちこちに分散する無意味なダイヤルを”見て”そして”摘まんで”弄らなければならない。無駄に神経を使わせられるため機能の変化に咄嗟に対応が出来ないのだ。
写りは良いけど、クソ忌々しい操作性と文句を言ったら、それはHの次で、と中の人に慰められたのは大分前の事。
APAの新製品セミナー用のテストが初対面で、魅力に惹かれつい購入から5年も経過しているのではあるけれど、だからと言って画質が低下しているわけも無く、当然、現役である。だから、お仕事のメイン機材な、まあこれも薹が立った、ニコンD850は些か大仰なので、何かしらの被写体を期待しての散歩にはコンパクトなX-T2と帰納的三段論法に落ち着くのである。
それが購入の決め手になった、相変わらずニヤニヤしてしまう、ACROSのフィルムシミュレーションにセットして出かける。幸いにも昨今のマスク生活のおかげでニヤニヤしながらカメラを持って徘徊する怪しい人物という状況は回避しているつもりであるが、ファインダーでリアルタイムに見える現実のすべてが、『ACROS』で撮って紙焼きした白黒写真に見えるこのセッティングにはやはりニヤニヤが止まらない。
ファインダーを覗くと期待通りのモノクロ画面に、赤いピーキングが表示されたままだ。ともかく親指AF用にアサインした酷く押し難いAF-Lボタンを押せばピントは合う。あれ?こんなだっけ、と違和感持ちつつ撮影を続けるのはきっと呑気な性格の利点だ。で、結局それはボディ前面の酷く操作性の悪いフォーカスモードレバーがMFになっていたことが原因だった。そう言えばそうそう、MFモードでもアサインされたAF-ONボタンで所謂ワンショットAFが出来るのだったと、思い出したのは帰宅後のこと。
X-T2は良く出来たカメラだけれど、『写真機』としては呑気な性格をもってしても操作性は最低だ。頭に描いたイメージに被写体を昇華させるべく集中しているさなかあちこちに分散する無意味なダイヤルを”見て”そして”摘まんで”弄らなければならない。無駄に神経を使わせられるため機能の変化に咄嗟に対応が出来ないのだ。
写りは良いけど、クソ忌々しい操作性と文句を言ったら、それはHの次で、と中の人に慰められたのは大分前の事。


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2022-06-16 13:33
2022年2月16日 大言壮語。 [カメラ]

ASAHI PENTAX SP SMCT 55㎜ NEOPAN SS

ASAHI PENTAX SP SMCT 55㎜ NEOPAN SSS
OMデジタルソリューションズのOM SYSTEM OM-1の話だ。
なんとも、どこまでが社名で、どこから機種名なのか曖昧なのはともかく、だ。
一枚目の写真は高校生の時だ。OLYMPUS OM-1、いやM-1だったかもしれない、を構える友人Aである。たしかブラックモデルはオリンパスの場合5000円高だったから、ヤツは金持ちである。
二枚目の写真は大学の時だ。一枚目とは異なる友人BがOLYMPUS OM-2を構える姿だ。レンズフードで隠れて判然としないのだが一部AUTO ZOOMと読めるので恐らく35-70㎜レンズだ。ちなみに彼は写真学科の学生ではない、そしてこのOM-2は写真学科のお前ならうまく買えるだろうと乞われて、当時まだ少し怪しいディスカウントストアだった池袋のビックカメラで値切ったことを覚えている。
そして、OM SYSTEM OM-1だ。大変申し訳ないのであるがドーでもいいカメラなのだけど、なんだかWOWと声を上げるカメラだとか雑誌で特集を組むカメラだとかメーカー自らが散々吹聴するは、じりじり発表は伸ばすはで、これはもう革新的なマシンの誕生を、いやでも期待していたのである。
で、鳴り物入りで、恐らくOMデジタルソリューションズが気合を入れた、はずの、しかし何故かよその会社の社名を正面に大書したOM-1というカメラが発表になった。まあ今時のフツーの高級カメラだ。さほど尖ったスペックも無いし、垣間見た撮影画像はJpegはコンパクトカメラのそれのようだし、RAWは良好だけど、だからと言って特筆する点もなさそうだし、動画性能はまあ今の標準的で、これをしてどうWOWと声を上げれば良いのか未だに方法を見つけることが出来ていない。
そもそもOM-1という名称は兎も角、OMデジタルソリューションズという会社の、しかも初のフラッグシップカメラの、OM SYSTEM OM-1という製品にOLYMPUSと他社の名称を正面に掲げてしまう姿勢には絶望感しかないのである。
オリンパス製のOLYMPUS OM-1やOLYMPUS OM-2には、特に名機だったなんて遠い記憶も無い。だけれど、間違いなく画期的だったし尖ったカメラだった事は、しっかり覚えている。
一枚目の写真は高校生の時だ。OLYMPUS OM-1、いやM-1だったかもしれない、を構える友人Aである。たしかブラックモデルはオリンパスの場合5000円高だったから、ヤツは金持ちである。
二枚目の写真は大学の時だ。一枚目とは異なる友人BがOLYMPUS OM-2を構える姿だ。レンズフードで隠れて判然としないのだが一部AUTO ZOOMと読めるので恐らく35-70㎜レンズだ。ちなみに彼は写真学科の学生ではない、そしてこのOM-2は写真学科のお前ならうまく買えるだろうと乞われて、当時まだ少し怪しいディスカウントストアだった池袋のビックカメラで値切ったことを覚えている。
そして、OM SYSTEM OM-1だ。大変申し訳ないのであるがドーでもいいカメラなのだけど、なんだかWOWと声を上げるカメラだとか雑誌で特集を組むカメラだとかメーカー自らが散々吹聴するは、じりじり発表は伸ばすはで、これはもう革新的なマシンの誕生を、いやでも期待していたのである。
で、鳴り物入りで、恐らくOMデジタルソリューションズが気合を入れた、はずの、しかし何故かよその会社の社名を正面に大書したOM-1というカメラが発表になった。まあ今時のフツーの高級カメラだ。さほど尖ったスペックも無いし、垣間見た撮影画像はJpegはコンパクトカメラのそれのようだし、RAWは良好だけど、だからと言って特筆する点もなさそうだし、動画性能はまあ今の標準的で、これをしてどうWOWと声を上げれば良いのか未だに方法を見つけることが出来ていない。
そもそもOM-1という名称は兎も角、OMデジタルソリューションズという会社の、しかも初のフラッグシップカメラの、OM SYSTEM OM-1という製品にOLYMPUSと他社の名称を正面に掲げてしまう姿勢には絶望感しかないのである。
オリンパス製のOLYMPUS OM-1やOLYMPUS OM-2には、特に名機だったなんて遠い記憶も無い。だけれど、間違いなく画期的だったし尖ったカメラだった事は、しっかり覚えている。







2022-02-16 20:59
2021年12月4日 冷ややかな悔恨が泉のように。 [カメラ]
Nikon D850 AF-S60㎜
ヒューレットパッカードのプリンターの話だ。
ところで、ビックカメラからポイントの保持期間が終了するというハガキが届いたのである。有効期限は2年間であるから、随分とご無沙汰してしまったようである。アマゾンとコロナ禍という主因だけでなく、ヨドバシカメラならポイントがAPA会員の優待という点も要因である。
随分前にビックカメラのポイントを、それも二万円強分失効したことがある。今回は1000円分ほどとはいえ、数日前の話だが、店舗に向かった。何か買い物をすれば期限は更新される。とは言え、とりたてて欲しいものは無い、しいてあげればFujifilm GFX50SIIかNikon Z9、あるいはRICOH GRIIIxだけど、それは文脈が違うだろうし、GRIIIxはEVFがない事が、と別の話になってしまう。
結局、半年以上印刷不可能で置物に化しているヒューレットパッカードのプリンターインクを買う事にした。いろいろメンテナンスを試みても全く印刷できないのであるが、アプリケーション上では80%程度残量のあるインクを交換して改善を図ろうという目論見だ。
OfficeJetというFAX機能のあるプリンターだ。なんだかんだで印刷不能になった、やはりOffice銘のプリンターから買い替えた機種だ。そもそも呆れるほどの不快感を覚えたヒューレットパッカードのプリンターを懲りずに選んでいるのは安いからである。ちなみに件のプリンタは一度も使うことなくいまだに放置されたままである。そして先代のOffice系プリンターを驚くほどのインク浪費と印刷不良で買い替えた。説明書に従って買い置きをした新しいインクでも印刷不良であることを、不快な記憶を押しとどめてサポートに尋ねるとインクの使用期限が過ぎているからという事であった。改善を望むため結局プリンター本体を買い替えた。そう懲りずにまたヒューレットパッカードだ、なにしろ使うか使わないかのFAXがついて安いからの選択だ。メインの写真プリントはエプソンが担うから、事務系プリンターは出来るだけコストを抑えるのである。
ヒューレットパッカードのプリンターはインクの消費が激しい、感覚的には、A4を20枚ほど印刷したら購入時付属のインクは印刷できなくなった。そこで大容量インクを購入し入れ替えたのであるが、その後せいぜい10枚ほどしか印刷の記憶がないし、80%程の残量表示なのに、印刷できない状態なのである。
ビックカメラに向かう前にインクの型番を再確認しようと、HPの良くできた多機能なアプリケーションからプリンターのステータスを探しても何故かインクの型番は分からないのである。それはインクのステータスからもHPのwebサイトからも分からず、結局プリンターに取り付けられているインクカートリッジを確認して出かけた。
ビックカメラのプリンターインクの売り場は隅に追いやられている。そして、ヒューレットパッカードのインクは現物が置かれていないこともあって発見するまでに、とても長い時間を必要とした。細長い小さな札に型番が書かれて並んでいるのであるが、目的の型番は無い。欠品取り寄せという案内もなく、単に目的の型番の札が無い。接客の手がすくのを待って店員に尋ねると、HPのインクは札が無ければ在庫が無く、札があっても在庫が無いこともあるという返答だった。
悔恨である、いろいろと。
2021-12-04 18:10