2024年4月8日 満開。 [カメラ]
Nikon D850 AF-S 24-70mm
サクラは満開。
備忘録である。その宣言は兎も角、見た目にも其れは満開だ。寺と公園と、並木通り。ご近所は一応桜の名所だ。期待以上に良く晴れた日曜日、カメラを首に外出するのは言わば強迫観念の為せる術だ。
『写真』を撮るのが難しい。だから満開のサクラに対しては、記録だ備忘録だと言い訳を呟きながらシャッターを切るのである。結局、今年も。
2024-04-08 23:40
2024年4月2日 花より 。 [カメラ]
Fujifilm X-T2 SMC-P Soft 85mm
桜である。
実のところ、それがどうした、の、開花宣言は出たばかりなのに明日からは天候不順という事で、桜を愛でに、正確には開花を記録しに、出かけた。出かけたと言っても、その言葉がおこがましい程近所なのであるが、桜の名所とされるその辺りに、カメラを携えてのお散歩である。
その昔、華道の師範でもあった母親から散々花の愛で方を伝えられたのでは有るが、悲しいかなピンと来ないまま齢を重ねてしまったのである。きっと、それは、当時学校から帰ると自宅の華道教室に同級生だの後輩だのの女子が居る事が照れくさかったせいだと、遠い思い出が理由付ける。
ペンタックスのSoft 85mm F2.2をX-T2に併せた。Kマウントのアダプターをそれしか所有していないからではあるけれど、今だにX-T2は“十分”だ。
6x7用の交換レンズとしてイマコンの200mmをカタログに載せていたペンタックスが、マルチコートされた近代的レンズで作ったベス単レンズとして発売したのがこのレンズだ。ベスト判単玉フード外し、往年のソフトレンズのありようをまんまそのままKマウント交換レンズになったのだから、おおっ!と即購入したのはもう数十年前である。何しろベス単だから、マウントと同径の直進ヘリコイドの先に大きな1群2枚のレンズが付いているだけ、つまり時が経ようと劣化のしようもないのである。
十分とは言え、APS-CのX-T2では85mmは望遠だ。本来周辺の画質の向上にX1.4のテレコンバーターを用いるのだけれど、それでは超望遠になってしまう。そしてX-T2のEVFではピントが難しい。もはや桜より、写真を撮ることが主題だ。
2024-04-02 16:07
2024年3月6日 半分の不満か倍の満足。 [カメラ]
PENTAX K10D DA16-45mm
ペンタックスから新製品のアナウンスが、新型のフィルムカメラをこの夏に発売予定だと言う。しかもゾーンフォーカスで手巻きでマニュアル露出も出来そうな、ハーフサイズカメラらしい。
ヒトも変わり疎遠になって久しいペンタックスだけど、モノクロ専用機に続き、らしさは健在でついついニンマリしてしまうのである。
web上ではハーフサイズ、つまり35ミリフィルムの半分というフォーマットに、画質が悪いと懸念する声が姦しい様子だ。まあ確かに、フルサイズデジタルカメラをAPSサイズにクロップすれば応じて画質が低下する事を実感してしまうし、何より銀塩フィルムはサイズの大小が解像度の良否である事は厳然たる事実だ。だからお仕事ではシノゴの使用率が高かった。とは言え、銀塩写真を取り巻く厳しい現状を鑑みればハーフサイズカメラであることの意味はペンタックスの思惑のとおりだろう。ペンタックスのチャレンジの成功を祈りたい。
銀塩写真を取り巻く環境といえば、家のあちこちから、中にはそれこそカメラの中から未現像のフィルムが出てきたのである。モノクロネガにカラーネガ、更にはリバーサルまで10数本。以前の現像液崩壊以来現像液は入手していない。そもそもT-maxデベロッパーなんて売ってるのか。何処にしまったのかダークバッグが見つからない。クリエイトはホリウチは何処に残っているの。
銀塩写真を取り巻く現状は如是厳しいのである。
唐突だけど写真のカメラは『フジカ ドライブ』。写真に興味を持った小学生の頃から持ち出して撮っていたカメラだ。自動露出もマニュアル設定も可能なレンズシャッターの目測式フォーカスの2.8cmF2.8フジノンレンズの高級感溢れたコンパクトカメラだ。勿論、ハーフサイズ。
2024-03-06 18:00
2024年2月27日 カメラで写真を。 [カメラ]
Asahi Pentax SP SMC-T 55mm
1977年の『日本カメラショー』の写真を今一度。
場所は日本橋高島屋である。長らくカメラショーは高島屋、写真用品ショーは大丸だった。プロ向けのIPPFは北の丸の科学技術館から後年サンシャイン60に移って開催されていた。高島屋に言わせると、大挙して押し寄せるのだけど、買い物はおろか食事すらすることも無く真っ直ぐ(用品ショー会場の大丸へと)帰ってしまうあまり有り難くないお客様だったそうである。
大盛況なこのシーンは、メインステージでのおそらく著名写真家による撮影のデモンストレーションだ。ライティングに使われているのが1kwスクープライトというあたりに時代を感じてしまうのだけれど、それ以上に、この場でのモデルの露出度の高い水着は、きっと、今では「不適切」。
2024年現代の日本カメラショーたる『CP+』が閉幕した。もう、暫く、実際に会場に足を運んでは無いのだけれど、決してカメラに興味を失った訳ではない。勿論、「不適切」なモデルさんが望め無いからでも決してない。
写真や映像はスマートフォンの中だけで完結する時代になって久しい。きっと撮影中の見映えを無視すればオリンピックをスマホだけで記録しても何ら不足は無いかも知れない。ハイエンドミラーレスカメラもスマホも結局カラクリは一緒だ。撮影という被写体情報の入力行為がハードウエア先行なのかソフトウェア先行なのかの違いでしかない。ましてや急激に進化するAiジェネレーターの生成する画像映像は最早カメラそのものの存在すら無用としている。
でもね、写真は(映像は)カメラで撮りたいのよ。仕事だし趣味だしね。ファインダーを覗いてそっとシャッターを切りたいわけよ。だから、新しいX100VIを二回り小さくしてEVFだけにしたカメラか、GR IIIxにEVFとストロボを内蔵してまともな4K動画性能を持たせたカメラが『カメラショー』で華々しくアンベールされる時を期待しているワケさ。
2024-02-27 22:28
2024年1月20日 後継、もしくは進化。 [カメラ]
Nikon D600 PC-E85mm
今更、かも知れないけれどニコンのZ 8だ。
散々逡巡して結局、買った。
とても、逡巡した。なにしろ、Zマウントミラーレス立ち上がりの機種は些か期待外れだったし、満を持してのZ 9の大きなボディや高速連写など全く不要だし、だからニコンのミラーレス攻勢は蚊帳の外から傍観していた。見て見ぬふりとも言えるかも知れないけれど。
巷の話題では、Z 8はD850のミラーレス版らしいのだけれど、それならD850(のまま)でいいじゃんと貧乏性の性が囁いた。その通り、仕事でも趣味でもD850の写りに不足は無い。ミラーレスカメラに期待する利点の動画機能だって、かのX-T2のLog撮影でもまあまあそこそこ賄えてるしね。初期の噂の60Mの高解像度には色めき立ったけど蓋を開けたら結局D850と同じ45M、しかもミラーレスカメラだからと小型化を期待するボディサイズもD850なみ。そこはフラッグシップのZ 9と同等性能というけれど、だからZ 9の性能なんて要らない。しかも高価だ。D850からレフレックスミラーや高精度の機械シャッターや緻密に組み込まれたAFシステムを省いているにも関わらず、高価だ。買わない理由は枚挙にいとまがなかった。
受け取って五日ほど、セッティングと操作の慣熟の最中だ。それは高価故か或いは新しいからか、なるほど滑らかにしっとり肌触りの良いカメラだ。ニコンカレッジで動画の教室を持っていた頃にZ 8があったらと遠い目をしてしまうほど素晴らしい機能でもある。良いカメラな事を訝しむ術は無い。ただ、いまだに買った理由付けを探して心穏やかでは無いのも事実だ。
散々逡巡して結局、買った。
とても、逡巡した。なにしろ、Zマウントミラーレス立ち上がりの機種は些か期待外れだったし、満を持してのZ 9の大きなボディや高速連写など全く不要だし、だからニコンのミラーレス攻勢は蚊帳の外から傍観していた。見て見ぬふりとも言えるかも知れないけれど。
巷の話題では、Z 8はD850のミラーレス版らしいのだけれど、それならD850(のまま)でいいじゃんと貧乏性の性が囁いた。その通り、仕事でも趣味でもD850の写りに不足は無い。ミラーレスカメラに期待する利点の動画機能だって、かのX-T2のLog撮影でもまあまあそこそこ賄えてるしね。初期の噂の60Mの高解像度には色めき立ったけど蓋を開けたら結局D850と同じ45M、しかもミラーレスカメラだからと小型化を期待するボディサイズもD850なみ。そこはフラッグシップのZ 9と同等性能というけれど、だからZ 9の性能なんて要らない。しかも高価だ。D850からレフレックスミラーや高精度の機械シャッターや緻密に組み込まれたAFシステムを省いているにも関わらず、高価だ。買わない理由は枚挙にいとまがなかった。
受け取って五日ほど、セッティングと操作の慣熟の最中だ。それは高価故か或いは新しいからか、なるほど滑らかにしっとり肌触りの良いカメラだ。ニコンカレッジで動画の教室を持っていた頃にZ 8があったらと遠い目をしてしまうほど素晴らしい機能でもある。良いカメラな事を訝しむ術は無い。ただ、いまだに買った理由付けを探して心穏やかでは無いのも事実だ。
2024-01-20 13:46
2024年1月5日 シノヤマキシン。 [カメラ]
Fujifilm X-T2 XF18-55㎜
大学生だった頃、当時4000円近い本を買うのにだいぶ逡巡したのを覚えている。
『135人の女ともだち』は、それなりに納得できる屁理屈がこねられる写真集というより”グラビア”の総集編だったから尚更だった。その分厚くて重たい”雑誌”を買う決心は篠山紀信の激写だったからか、今で言うところの推しのアイドルが収録されていたからかは覚えていない。ちなみに、135人の女ともだちの一人目は、勿論、山口百恵だ。そして数十年ぶりに開いてみると南沙織は107人目だった。
大学の先輩であるその写真家の、課題で提出された作品を見たことがある。どんな写真だったかまるで記憶にないのだけれど、真面目に丁寧に仕上げられた作品に少したじろいた事は今でも覚えている。だから当時、『晴れた日』や『家』に大いに感化された。
追悼 篠山紀信。
タグ:日大芸術学部写真学科 ニチゲー
2024-01-05 18:11
2023年10月12日 ボルタの思い出。 [カメラ]
Nikon D850 AF-S60mm
ところで、いろいろサボっていたら2ヶ月もご無沙汰である。我ながら酷いモンである、、
で、写真フィルムのはなしだ。フォトグラファーだからねえ。ペンタックスが来春新型フィルムカメラを出すらしいし。
父の遺した写真だ。古い写真と書かれたサントリーオールドのギフトボックスの中にあったのは少し見慣れぬネガフィルムである。135判つまりフツーの35㎜フィルムのようだけれど、パーフォレーションつまりフィルム送り用の穴が無い。
フツーの135判フィルムは映画用の35㎜フィルム流用をルーツに持つのでパーフォレーションがある。それに対しこのパーフォレーションを持たないこれはおそらくボルタ判と呼ばれるフィルムだ。120判所謂ブローニーフィルムのように裏紙を持つ35㎜幅のロールフィルムである。あるいは同じく裏紙を持ってさらにパトローネに入ったコダックの828フィルムかも知れない。ちなみに裏紙のあるフィルムはハレーション防止層が無くヌケが良いから広告写真では多用していた、と、まあ建前だけど。だから、この古いフィルムもベース面の透明度は高い。
いつものようにD850のデジタイズ機能でこの大昔の写真を蘇らそうとして気が付いた。フィルムに写る画面が大きい。実測すると30ⅹ36㎜である。フツーの135判は画面サイズは24ⅹ36㎜、そしてWikipediaによるとボルタ判はドイツ製オリジナルは24ⅹ24㎜、かつて販売された日本製カメラの変形サイズでも最大25ⅹ36㎜という事なので明らかに大きい。コダック828は28ⅹ40㎜だからこれも違う。
残っている9コマほどの露出レベルは揃っている、写りも十分シャープで像の流れも無い事からトイカメラではないそれなりのカメラだろうけれど、それを今知るすべはない。ただコマ間隔が狭い部分の画像を見ると、父はきっと良い表情へのシャッターチャンスを求めて急いで巻上げたのだろうことは良くわかる。
2023-10-12 18:21
2023年4月28日 モーレツからビューティフルへ。 [カメラ]
PENTAX *Ist-D FA35mm
写真は、ペンタックスのデジタル一眼レフカメラ初号機の*Ist-Dの、所謂撮って出しのJPEGデータだ。EXIFに記録された撮影日は20年前のそれである。
世界に先駆けたフルサイズDSLRは、センサー製造元のフィリップスとのゴタゴタもあって幻となり、仕切り直しのAPS-CDSLRは登場が少し遅れたのだった。やってみて分かったデジタルカメラの難しさと、開発担当は当時言っていた。
そして20年を経た今日、K-3MkIII Monochromeが発売となった。白黒写真しか撮れないカメラだ。正しく言うと白黒写真”が”撮れるカメラだ。フォトグラファーとして、琴線に触れるという言い回しを深く納得するのである。
そして、なんとなく、『モーレツからビューティフルへ』と言うあの名コピーも思い出した。
2023-04-28 19:57
2023年2月6日 されど、カメラ。 [カメラ]
Apple iPhone 8
一般社団法人カメラ映像機器工業会(CIPA)が「フォトイメージングマーケット統合調査:国内編」の結果を公開した。
なんともお堅いリポートではあるが、要は全能のスマホ全盛期にあって何故カメラを使うのかという問いと答えだ。なんとなくゼウスにむかうペルセウスの苦慮を質しているような気がするのは兎も角だ。昨年10月にweb上で行ったデジタルカメラユーザーの10~70歳代への調査ということである。web上とか本調査1000名、予備調査14,306名というサンプル数等をどう受け止めるべきか解らないけれど、序文には引き続きカメラという商材の力強さを確信させるとあるので、きっと、カメラはまだ大丈夫という結果なのだろう。
とは言え、なぜカメラを使い続けるのかとの哲学的『問い』へのフリーアンサーでの上位の答えは、確かに比較論としてのカメラの魅力は表現し難い故にか、些か曖昧模糊としている。ちなみに「高画質」という答えは6位だ。
気になったのが10位の「すぐ撮れる」という答え。以前、随分前、それが新発売になる頃ニコンカレッジ講師陣に対するニコンのKeyMission開発陣によるプレゼンテーションがあった。僭越にもその場でその全てをコキ下ろさせて頂いたのだけれど、大きな綺麗なモニターでrawでも撮れるiPhoneのほうが優れているという指摘については、開発者は「iPhoneはカメラアプリを起ち上げないと写真が撮れない、KeyMissionはスイッチオンですぐ撮れる、カメラだから。」と憮然として反論してきたのを思い出した。
今にして、なるほど、そうなのか。
とは言え、なぜカメラを使い続けるのかとの哲学的『問い』へのフリーアンサーでの上位の答えは、確かに比較論としてのカメラの魅力は表現し難い故にか、些か曖昧模糊としている。ちなみに「高画質」という答えは6位だ。
気になったのが10位の「すぐ撮れる」という答え。以前、随分前、それが新発売になる頃ニコンカレッジ講師陣に対するニコンのKeyMission開発陣によるプレゼンテーションがあった。僭越にもその場でその全てをコキ下ろさせて頂いたのだけれど、大きな綺麗なモニターでrawでも撮れるiPhoneのほうが優れているという指摘については、開発者は「iPhoneはカメラアプリを起ち上げないと写真が撮れない、KeyMissionはスイッチオンですぐ撮れる、カメラだから。」と憮然として反論してきたのを思い出した。
今にして、なるほど、そうなのか。
タグ:KeyMission NIKON
2023-02-06 18:35
2022年12月21日 遺産と伝承。 [カメラ]
ASAHI PENTAX SP KOMURA 24㎜ NEOPAN SSS
遠い記憶の写真だ。1976年の国鉄ストの時の、池袋駅東口である。タクシー待ちの行列の向こうに巨大なアサヒペンタックスSP(SL?)が回っていた。
そんなペンタックスが、つまりリコーイメージングがフィルムプロジェクトスタートと発表をした。勿論2022年の”今”だ。1976年当時だったら、いまさら何それだけれど、”今”であっても、やっぱりいまさら何それだ。
この期に及んでフィルムカメラを新規に開発するのだという。遂に居直ったかペンタックスである。蛇に睨まれた蛙とか窮鼠猫を嚙むとかと、つい思い浮かんだ。
大義として技術の承継を目的という。カメラは本来精密機械だ、特に一眼レフフィルムカメラの構造とその動作はかつての技術大国ニッポンの象徴だった。ミラーレスデジタルカメラが主流となり失われつつあるそれを承継する為に残された時間は確かに少ない。一眼レフ専門宣言のペンタックスとして更に思いを深化させたという事だろう。
近年の社風の変化になんとなく疎遠だったのだけれど、らしいペンタックスが帰ってきたようで少し嬉しい。とは言え、ミラーレスデジタルカメラが間違いのないカメラの未来である中、フィルムカメラが承継し再生すべき技術遺産なのかは甚だ疑問だ。
まずはフィルムコンパクトカメラからという事だけれど、出来ればデジタル版のESPIO miniが欲しいなあ。
2022-12-21 17:43