2015年2月15日 最新技術。 [カメラ]
Panasonic LUMIX FX-500
CP+である。
つまり今年も、いつものカメラショウである。
と言うことで、今更な日記ではあるが開催二日目の、平日の、”一昨日”横浜へ出掛けたのであった。
下岡蓮杖が商機を目論んで写真館開業の場所と選んだことをして写真の街などと主張しカメラショウを誘致する横浜が、少し、遠いと言う個人的都合で悪態をつきながら向かうのも、我ながらいつものことである。
会場であるパシフィコ横浜が望める連絡橋上で傍らの大学生くらいのグループの一人が、あの大きい建物全部でやっているんだと言うと「うわー楽しみ」と残りのメンバーが声を上げた。オジサンも君たちと同じ頃、道すがらで配られていた恒例のヨドバシカメラの黄色い価格表を握りしめて日本橋タカシマヤの8階催事場の「日本カメラショー」へワクワクしながら急いでいたんだよと、しばし遠い目をしてしまうのであった。
相変わらず規模や出展数はフォトキナに遠く及ばないニッポンのカメラショウではあるが、今年は直前にキヤノンが大量の新機種の発表をしたりペンタックスが35mmフルサイズ機の公表をしたりと「うわー楽しみ」なカメラショウなのは間違いない。
デジタルフォトにとって画質の向上には画素数の増加が不可欠である。つまり高画素のデジタルカメラは高画質なのである。当たり前だが画素一つが得られる情報量は一つしか無いのだから被写体の質感や階調を写し撮り再現するためには画素数が要になるのである。
今年のショウでは高画質化への幾つかのアプローチが示された。
キヤノンはEOS 5Ds/sRで50MPのセンサーを搭載してきた。画素数の多いセンサーの使用という言わば正調の方法である。入力情報の増加の効果は残酷なほど明確で、精緻で滑らかなサンプルはバキバキゴリゴリと濁音を太いゴシック体で表現したい印象だったEOS 5DmkIIIの発表時のサンプルプリントと打って変わってEOS 5Ds/sRのそれはなんと説得力に満ちた画質であろうか。
オリンパスは異なる方法での高画素化を示した。新登場のOM-D EM5 mkIIで手ぶれ補正のセンサーシフトを利用してマルチショットによる高画素化をハイレゾショットと称して高画質化の新機能として搭載である。つまり本来の画素ピッチより細かくセンサーを移動させて擬似的に画素を細分化して高画素とするのである。ハッセルブラッドのピエゾ素子の振動を利用してセンサーを駆動するマルチショットスペシャルモデルの2億画素には及ばないものの、16MPしか無いμ4/3のセンサーで40MPとしての撮影が可能だ。
ただ何故かブースでは地味で僅かな展示のみであり、ハイレゾショットを支える技術としてのフローティングシャッタユニットの展示が、カメラが小さい事も災いして更に地味なのは何故なのだろう。
そして、ある意味今年のショーでのスターとも言えるリコーイメージングのPENTAXもフルサイズ機のモックアップと合わせお家芸のSRと呼ぶセンサーシフトの応用として「超解像」を公開した。その昔の可動式カラーフィルターの3ショットカメラの現代的”力技”解釈である。
ターレット式外付けカラーフィルターの3ショットのLeaf DCB IIで散々苦労したのは懐かしい思い出なのであるが、兎も角単板式センサーでカラー写真を作り出すためには各画素にそれぞれ三原色のRGB情報が必要なのである。そこでRGB各色のフィルターを通し3回撮影し合成をしていた、これが3ショットカメラ。で、不便なんでなんとか一回の露光でと言うことでBayerさんが考案した配列のカラーフィルターをセンサーに貼っつけて撮影しデモザイキング処理をするのが現代の主流だ。ただ構造上本来の総画素数の解像力に対しRやBは1/4、Gは1/2の解像力しか得られないのである。そこでペンタックスはSRでセンサーごとフィルターを動かして各画素あたりにRGB全情報を垂直記録、本来の画素数として画像を生成するのである。これは画素数自体は変化しないためデーター量はより豊富になる色情報分の増加で抑えられワークフローに及ぼす影響が少なくてすむ利点もある。
結局、最新テクノロジーのデジタルカメラの高画質化への最新技術が、やっぱり、「温故知新」なのが今年の収穫だ。
2015-02-15 13:06
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