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2014年10月20日 動機と目的と手段そして思慮。 [日常]

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Nikon D600 AF-S24-70mm

先日のニコンカレッジでの講義の後、受講者の一人から難しい質問を受けた。

Nikon D810を携えた彼の質問は、カメラを買ったしかし何を撮ったらいいのか解らないというものであった。難題である。講師として、或いは写真趣味人の先輩としてその質問に対し用意した答えは、恐らく彼の悩みの本質に至るには不十分であろうことは認識しつつありきたりな方法論を話した事は心残りだ。

カメラを手に入れるということは、それ自体が目的な場合を除けば写真を撮る手段を得るためということになる。つまり撮りたいという動機と写真という目的であり単純にして純粋な行動である。カメラの性能や価格に大いに悩み、ある日決意してカメラを購入する、そして目的を達成するためにシャッターを切る。ところが多くの場合動機の源となった思い描いていたイメージと写し取られた写真との乖離にそれなりの落胆をするのは常だ。真摯に目的を達成しようと望むほど思慮深くそして悩むのである。

女性経産大臣の辞任を追って朝からテレビは大騒ぎをしていた。デタラメ過ぎる政治資金という週刊誌の報道が発端となったようであるが、恒例の、いつもの「政治とカネ」による辞任騒ぎである。経済産業相としての彼女の存在感を感じたことはないので辞任しようが何らの感慨も無いが、元総理大臣を父に持つお金持ちのオジョーサンらしく正にデタラメなお金の扱いには呆れ果てる。政治家になった動機を答える当時のニュース映像が流されている、亡父の地方基盤を継いで最終的には総理大臣が目的だったのだろう。カネは政治の手段という認識が強いのか国政の場で個人的な進物に公金である政治資金使用を当然と答え、辞任会見においてなお一般企業にあっても経費から贈答品を買ってると見当違いな例を上げ自らの正当性を主張するのには言葉を失う。多額な給料を得ていながら更に公金を個人的接待にとするのは政治家という思いあがりなのか錯誤なのかは知らないが忸怩という言葉も思い出して欲しいものである。

件の質問の彼はきっと望んでいる写真という目的に向かって行くと思う、それは思慮深く悩んでいるからだ。議員辞職はしないのに政治家として一からやり直すと言ってしまう不純な目的の思慮の浅いこの政治家とは大きな違いだ。

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