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2012年10月18日 8分の6、若しくは8対6。 [カメラ]

d600atcafe.jpg
Nikon D600 AF-S 50mm

で、Nikon D600である。
小さくて軽くて、シャッター音もミラーショックも小さくて、明るくてピントも見易いファインダーで、2400万画素もの写真が、たとえiso6400でもiso25600でもフツーに軽快に撮れるのである。

なかなかに良い具合である。が、しかし好事魔云々ほど大問題では無いが、

気のせいかAFが思ったように合焦しなかったり、惑わされやすいオートWBだったり、Jpeg画質が物足りなかったり、ボディがペカペカと安っぽかったり、重たいレンズを付けるとマウントにガタがあったり(これは個体差かな)が気になったりするのでもある。

期待したほど安価で無かった、つまり”凄い”兄貴分のD800との価格差があまり大きくない事が欠点と挙げられている。D800が安すぎるのか、D600が高いのかの判断は難題であるが、D800から失われてしまうモノは価格差以上であると感じる。比較論とはいえ、D7000のデザインを引き継いだ事も相まってかのペカペカ安っぽい作りは、実は結構気になるのである。ただ単独で見れば「あの高級な」D3xに匹敵するカメラが、この価格で有ることに驚くべきだとニコンは思っているに違いない、そしてそれは、その通りなのだ。

画質はとても良い。広いダイナミックレンジ、素直な発色、細部を省略しない解像感という印象である。高感度での鮮鋭感も優れている、RAWでのiso25600におけるディティールの損失の少なさは驚きである。好感度に拠るノイズが細かく整っている上ダイナミックレンジの縮小も軽微なためRAW現像での高感度画像は見事だ、ただ全般にユルイ画質のカメラ内Jpeg画質が高感度域ではより甘くカラーノイズに埋もれてしまうのは残念である。実用する(個人差は有るだろうが)感度域においてD800との差は少ない。色数の多いチャートを撮影すると微妙に異なる色も有るのだが実写での差は極僅かだ、36MP対24MPの画像の大きさとそれに起因する解像感を除けば用途によって使い分け、併用に問題は無さそうである。クロップ撮影という機能を活かすと36MPから10MPまでの多様な対応力を持った撮影システムをコンパクトに(比較的安価に)実現できるのはこの新しいニコン兄弟の強みだ。

ニコンの画像で気になっているのはRチャンネルが飽和しやすい事だ。R、G、Bの各色の中でRだけが早めに輝度が高めにずれてしまう印象なのだ。例えば明るい肌色でR成分のトーンが失われてディティールがベタっとしてしまうのである、相対的には広いダイナミックレンジを持つのに肝心の肌色がコントローラブルで無い事が悩ましい点であった。同じ画像エンジンではあるがD600は若干Rの突出が抑えられた様に感じるのである、D800のファームウエアなりでの改善に希望を感じたのは思い込みだろうか。

ペカペカした安っぽさは我慢して慣れよう、削られたスペックは人間力で補おう、価格もそのうち安めになるだろう、と考えればNikon D600は欠点の無い実に良いカメラである。ネガティブに取りがちなD7000の様なデザインも、ダイヤルが目立つアナログ感からか標準レンズを付けて首から下げると気楽さを感じられたりするのだった。そう言えば進化の早いデジタルカメラであるD600に感じたD800よりの最も大きい変化は、握りやすくなったグリップのシェイプというアナログの部分だった。

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