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2012年4月14日 寒い国から来た手紙 [日常]

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Nikon D7000 AF-S50mm

毛ガニを頂いた。
昨日の話であるが、北海道の友人からカニが届いた。有難いことである。
トロ箱を開けると窮屈そうに収まった彼らはハサミを立てて威嚇してきた。立派なカニである。

友人に訊くと味噌汁がオススメとのことだが、せっかくの大振りの毛ガニを目でも楽しもうとオーソドックスに茹でた。以前仕事で訪れたカニ屋さんで、お土産に配達された活カニを収められる鍋が無く途方に暮れて電話が掛かってくるという話を聞いたことがある。フツーの家庭に送るんなら浜茹でのカニがいいよ、と言っていた。

因みに我家にはタカアシガニは難しいがタラバガニであればゆったりと入浴可能な鍋の準備が有ると、さり気なくアピールしておこう。

かつて花咲ガニの漁を撮影した。拿捕経験のある漁師さんのもと日程に終われ大しけの中真っ暗なオホーツク海に出た、雨と波で下着までびしょ濡れになり、ロシアの巡視船に注意を払い、船酔いに悩み、空と思っていた高さに微かに見える波頭に恐怖を感じながら覗いたファインダーの先の引き上げたカニ籠の中には獲物はいなかった。帰港後漁師さんは保存してあったカニと港で物々交換したサンマの刺身を振る舞ってくれた。昔は花咲ガニは猫跨ぎだったなんて話を聞いた。余談だが伊豆の金目鯛も昔は猫跨ぎだ、時代が変わると価値観も変わるのだ、特に食べ物は。

鍋の中で色を変えるカニを眺めながら頭の中で、冬の国から都のすみへ便りがとどく〜と何故かリフレインしている。勿論、北海道出身ではない我が身に歌詞のような望郷の念は無いが高校生の時初めてバックパッカーとして旅して以来思い入れは強い。仕事で幾度訪れようと北海道は、少し、憧れの地なのだ、まもなく一気に春が来る冬の国からやって来た数匹の毛ガニはそんな事を思い出させてくれた。

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