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2010年3月9日 カメラの中の思惑。 [カメラ]

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PENTAX *istD DA16-45mm

鉄道写真ブームであるらしい。
昨日TVで『ママ鉄』を紹介していた。新聞には引退列車に集まる『撮り鉄』対策に苦慮と記事があった。

ただ、社会面での記事の大きさは先日立て続けにあった撮り鉄による列車運行妨害に対応してのものであろう。その内一件は線路外への退去を拒んだと言うのであるから尋常ではない。鉄ちゃんなのに本末転倒の出来事である。さらには、そのニュースで「”汚”点と線」と頭に浮かんだ自分のオヤジ度にも愕然とするのである。

航空祭の記事でも触れたが、一部写真愛好家の振る舞いには哀しくなる事がある。立ち入り禁止の柵内の足跡や三脚痕と捨てられたフィルムのパッケージ、中判カメラや高級DSLRを貧相な三脚に載せた何故か威丈高の中高年カメラマンたちなどが目につくのであった。

プロの場でもロケ禁止に陥ったり、場所取りの三脚放置などという愚挙もある。その昔グラビア撮影で人気の南の島のビーチにスコールの中場所取りのジッツオが林立する様はアートのようであった。

来た時より美しく。アシスタントの時よりそう教わって来た。結果や過程や手段に責任を持つのがプロだからである。写真という結果に責任を負うだけでなくその行為に関わる全てに責任を持つのがプロのプロたる所以なのである。機械的不備であろうと結果の責任は写真家にある以上カメラに対する要求も厳しい。

あるメーカーはプロ向けに作ると一般層に良く売れると言っていた。それはそうである、プロの要求はユーザー意見の最大公約数のようなものである。確実に簡単に望み通りの写真を写す事を望むのがプロの要求の基本である。プロに門戸を開くメーカーはそのフィードバックを生かし一般のシェアを大きく持っている。

明日発表されるカメラがある。画期的な注目すべきカメラである。が、そのメーカーはことあるごとにアマチュア向けと言う発言をするのである、しかも風景写真愛好家に向けてなどと門戸を狭めた発言である。理由も解らないではないが自ら負のスパイラルを作り出している気がしてならない。

素晴らしいカメラですよ。とCP+用のサンプルを撮った方がツイートしていた。カメラ雑誌に記事を書かれている方なので褒めそやすのはお仕事なのだろう。アタシもほんの少しだけそのカメラを弄ったのであるが、とても手放しで素晴らしいなどとは公言出来ないのである。

誤解されたくは無いがフォールディング、操作性、作りの良さや価格においては間違いなく素晴らしいのは事実である。ただアマチュア向け発言に呼応するような要求性能の低さが気になってしまうのである。このメーカーは作家ではないプロユーザーのシェアはデジタルの現在限りなくゼロに近いであろう。メーカーのスタンスがそうしてしまっている、アタシは仕事でも使用しているのであるがカメラの性能以外にも不便な事が多いのである。

長い紆余曲折を経てやっと商品化されるのであったが、プロの要望は届きにくいのであろう、美点にまして残念な点が目についてしまうのだ。確実に簡単に望み通りの写真を撮るという要望に耳を傾けて欲しいのである。

で、お前は買うのかと問われれば、欲しいけど買えないが答えだろうか。(深い意味は無く字面通りなのが情けないのであった。)

タグ:CP+ PENTAX 645D
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