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2008年10月21日 王の帰還 [日常]

omegawatch.jpg
PENTAX k10D DA 35mm Macro Ltd

時計が修理から帰って来たのである。
思えば酷暑の毎日だった8月にへそを曲げた我がCITROEN C5がJAFのキャリアカーでサービスへ向かった日に話題にした時計の事である。

手巻き式の機械時計なのである。NASAの過酷なテストをクリアしアメリカの宇宙開発の一翼を担った時計である。特にアポロ13号の危機に、失われたコンピューターに代わり地球への帰還のスラスターの噴射のタイミングを計時した逸話にはワクワクしたのであった。いまだに人類の月面着陸は捏造であると主張する人たちが居るのではあるが、月面でアームストロング船長がハッセルブラッドで撮影したオルドリン飛行士の腕にもグローブの上からベルクロテープのバンドで装着されたオメガが確認出来るのである。なにしろ、この時計の裏蓋にはNASAの文字と月に行った最初の時計というメセージが刻まれているのだ。宇宙もの大好きなアタシはこんな所にも心酔しているのであった。

自動巻の錘を動かす重力の無い宇宙で、電池切れの心配も無く動き続ける手巻き式機械時計はNASAだけで無く、アタシの本業でも有効なツールなのであった。かって広告写真と言えば4x5などのビューカメラを用いライトはタングステンの定常光によるものだった。つまり、長時間露光である。シャッタースピードが2.5秒だったり4秒だったり15秒だったりするのである。当然シャッター手動制御なんであるからして、何らかの方法で時間を計らなければいけない訳で、いきなり一秒ずつ進んだり滑らかに進み続けるクオーツ秒針ではタイミングが取れないのであった。そこでこの機械時計ならチッチッと一秒を5回のステップで刻んでくれるのである、このチッチッのリズムを覚えれば細かい時間のコントロールが可能だった。この腕時計はわざわざ別に手巻き式ストップウオッチを用意する手間を不要にしてくれたのであった。

で、アタシの左手で26年間も働いていたオメガスピードマスターは切れたゼンマイの修理とオーバーホールに2ヶ月前に旅立って行ったのであった。スイスに里帰りする可能性がある事を途中連絡を受けたのであったが、まるで新品のようにキレイになって帰って来たのである。六万五千百円の請求書とともに!

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