2020年11月28日 栄枯盛衰。 [カメラ]






ASAHI PENTAX SP SMC-T55㎜ NEOPAN SSS
1977年の『日本カメラショー』である。
当時は、というか長くそれはデパートの催しだった。だからなにも特別なことではなかった。今ではそこすら大きく様変わりしているのではあるけれど、日本橋髙島屋の8階催事場が会場だ。途中髙島屋の入口付近で、ヨドバシカメラが新聞紙のような黄色い特価表を配っていた。
実はその後聞いた話では、カメラショーに集まる人々はカメラショーのみが目的であり、デパートとしての売り上げ向上の集客効果は全く望めない厄介な催し物だったそうである。それはともかく、マニアたちは待ちに待ったこの年に一度のお祭りの日々に日本橋髙島屋のカメラショー、そして東京駅大丸の『写真用品ショー』へと笑顔で周遊するのであった。あるいはお金持ちの大人は銀座に向かい松屋銀座の『世界中古カメラ市』も必須の周回コースだ。ついで言うと日を置いて科学技術館での『I.P.P.F.』という営業写真館向けを中心としたプロフェッショナルフォトフェアにも多くの人が集まっていた。
その昔、カメラはいつだって最先端技術の結晶で、ハレの場になくてはならない誰もが欲する大切なモノだった。だから憧れを手にできる「カメラショー」は笑顔で賑わっていた。
2020年の今日、ドイツの『photokina』の事実上終了のニュースが伝わってきた。フォトキナは70年の歴史をもつ、それ自体が憧れだったカメラショーはもう開かれない。










2020-11-28 15:45
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