2012年5月21日 金環日食の朝。

Nikon D800 AF-S24-70mm

日食である。

東京で窓から見上げて見える金環日食は20世紀以降初のようである、さらには広域観測は932年ぶりだと報道は言う。

少し、早起きであった。世間並みの盛り上がりに乗り遅れるわけにはいかない、それに中学高校時代は「天文ガイド」を愛読し夜空に勤しむそれなりのマニアな過去を持つ故なおさらである。

かつては黒い下敷きや煤のついたガラスでの日食観測が普通だった。科学が進歩したのか太陽が力を増したせいなのかは分からないものの今日日それらは禁止事項とされ、所謂”日食メガネ”売り場が大賑わいなのは経済効果を狙った政府の陰謀ではないかと訝しく思うほどであった。

家の窓から観測可能とはいえ、ヒトが集まりそうな近所の公園へ向かうのは人情であろう。はたして東側に大きく広場を持つ公園には既に何人かの先客が3D映画の鑑賞会かあるいは変身時のモロボシダンのように空を見上げているのである。

不況だの災害だのと少し下向きだった日本人も今日ばかりはみんな揃って楽しそうに上を向いていた、さすがはお天道さまである。

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