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2011年5月21日 あつい、と言う形容詞。 [カメラ]

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NIKON D7000 AF-S18-200mm

相変わらず怠惰な性格を棚上げにしていたら、もう5月も後半である。
残念にも東京の空も放射性物質の浮遊は覚悟であろう、そして気温も高い、暑いのだ5月なのに。省電の夏に向かう今、猛暑の昨夏の記憶が新たな不安をかき立てるのである。

シグマからSD1が昨日正式に発表になった。先日のトヨタのプリウスαの発表を始めとして震災後もここに来て様々な新製品の発表が続き、少し前向きな日本の足音のようでそれはそれで嬉しいのである。

そして、SD1というカメラ。カメラ雑誌の発売日に合わせたのだろう発表である、恐らく誌面に実写画像が掲載されて盛り上がるという筋書きなのだと勝手に想像するのだが、カメラ雑誌を未読な為確証はない。ただ、盛り上がっている事は事実である。twitterを始めとしてweb上では発表後話題沸騰である。

シグマが社運をかけた、か、どうかは知らないがフラッグシップモデルであるという。理想を追った米国Foveon社の撮像センサーを、その会社を子会社化してまで熟成してきたその一つの到達点である事は確かだ。4600万画素というカタログデーターはPENTAX 645Dを抜いて国産カメラ中最高である。メーカーはその数字とセンサーの構造上不要とするセンサー前のローパスフィルターが無い事での高解像度と色の良さによる画質の高さを強調している。因に確かに偽色は出ない(出にくい)とは思うがフォトセルの配置上干渉縞は避けられない、つまりモアレから解放される事はやはりデジタルカメラは難しいのである。

web上の熱い議論はメーカーの目論見とは裏腹に、画質や性能ではなく、およそ70万円と発表された価格に対するものであった。画素数を万円で読み替える事が常識だったカメラを経験しているオッサンとしては4600万画素ものDSLRが70万円で買えるという一点については好意的な理解もするのであるが、世論は総じて批判の嵐である。曰く高すぎる値付けである、それも非常識にであるとの論調である。メーカー非難までに話題が膨らむのはどうやら低価格での登場を示唆した以前の社長発言に端を発するようだが、手の届くエポックメイキングな高画質カメラへの熱い期待を失った失望の大きさを物語っている。

このメーカーはカタログやホームページ上で画質を始めカメラの哲学を熱く語るのが特徴だ。ブランド力の乏しい事を補う説得力に溢れているのであるが、今回はこの夏の東京の夜のように暑苦しいだけで終わってしまいそうである。APS-Cのデジタルカメラが70万円である驚きの前には言葉は無力だった。

あくまで私感であるが、外殻を金属としたボディの質感は悪くないものの操作性も悪く見た目の冴えないデザインには価値が見いだせないのだ。Foveon X3センサーありきの熱い想いだけの独りよがりでは支持は得られない、冷静な製品開発を願いたかった。

タグ:シグマ SD1 FOVEON
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