2023年2月25日 記憶する日常風景。 [日常]

Nikon D850 AF-S10-20㎜
銀座四丁目交差点である。
そこに当然と建っている三愛ドリームセンターは、来月から老朽化のため解体される。おそらく、歩行者天国からのこの”いつもの”景色は明日で見納めかも知れない。
あまりに当たり前の銀座のランドマークだ。なにしろ、記憶が正しければ、その昔ウルトラマンの放送が始まる直前に、セイコーの時計が7時をお知らせします、と向かいの和光屋上の大時計が映ったのに続き、8時からのプロレス中継は、三菱電機の提供でお送りします、と当時は上部が三菱電機の広告だった三愛ドリームセンターが映ったのだから、幼き頃からの刷り込みである。
丸い筒という不思議な形状に興味を魅かれつつも、季節になると女性ものの水着で覆われるなどと、Sanaiのロゴと相まって、小心者としては立ち入りを躊躇うのであった。そんな長年にわたる苦悩に対し、ペンタックス・リコーが上階にギャラリーを開いて、エレベーターシャフトを軸に円形のフロアを重ねたこの面妖な建築物に立ち入りの大義名分を与えてくれた事には大いなる感謝だったのである。
計画では3月から2年間をかけ解体となっている。その先にどんな風景が待っているのか分からないけれど、向かい側の透かし彫りをモチーフとしたという柔らかな印象の銀座プレイスが、以前はシャープな直線のビルだったことが思い出せない程既に馴染んでいることを思えば、すぐに日常風景になるのだろう。
2023-02-25 15:36