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2021年9月10日 時にはスーラのように。 [カメラ]

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ASAHI PENTAX SPF SMC-T50mm NEOPAN SSS

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Nikon D850 AF-S60㎜


スポッティングの話だ。

それは『プリント』という言葉がフィルムから印画紙に”焼き付ける”化学的作業を意味していた時代、作品の完成に必須な最終的な行為のこと。

銀塩写真において、例えば最終的にモノクロプリントを望むには些か手数を要するのである。先ず撮影済みのフィルムを現像しネガフィルムを生成。しかる後暗室内でそのネガを引伸ばし機によって求める大きさの印画紙に露光する所謂DPE作業という流れだ。ちなみにお仕事においても新聞広告はプリント入稿だったから、全段広告なんかの時はベセラーの4ⅹ5の引伸ばし機で少し柔らかな全紙プリントを焼いていたのである。

問題なのは”引伸ばし”だ。その字のごとくネガフィルムを拡大投影するわけであるから、細心の注意を払ったとしても幾ばくかのネガ上の汚れや銀粒子の欠落も拡大され、プリントに写り込んでしまう。そこで『スポッティング』だ。要は墨で印画紙上の銀粒子を書き足して修復する作業である。

道具として、かつては2枚目の写真のようなスポッティングカラーなるものが何社からか販売されていた。これをペロッと穂先を舐めた面相筆に移しとり、親指の爪の上でささっと濃度を整えたらひたすらにポチポチと銀粒子に似せて点描していくのである。余談だけれど、ニチゲーの写真学科の1年時、写基礎というカリキュラムの中で比較的早期に出された課題に、ゴミだらけの写真の修復があった。その写真は何故か担任教授のポートレートだったから提出された多くが、結局修復以上の想像力に満ちた仕上がりだったことは言うまでもない。

デジタルフォトの今、例のフィルムたちは、そのデータをPhotshop Lightroom Classicのカタログに纏めてある。まあ、いろいろと忸怩たる思いの”おうち時間”だけど、プリントでもしようかと開いた。

現像モジュールの円形フィルターツールはかつての針金の先の黒紙や両掌で作った小穴のような覆い焼きや焼き込みの再現が楽しい。そして仕上げはPhotoshopに読み込んでのスポット修復ブラシツールだ。D850で複写した高精細のフィルムを銀粒子が見えるまで拡大表示、ブラシサイズを粒子よりやや大きくそしてボケ足を大きくクリック。見事に粒子が復元できる。きっとプリンターでのモノクロ出力には過剰な細部へのスポッティングだけれど、驚くほど情報が写り込んだフィルムを眺めながらのポチポチが楽しくてやめられない。つまり、結局、モノクロ写真は手段が変わっても楽しいのである。


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