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2020年4月21日 伝家の宝刀。 [日常]

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Nikon D850 AF-S60mm



我が家にも『アベノマスク』が届いた。

ニュースでもそう呼称されているので、この透明なポリ袋に入ったものは恐らくそういう商品名なのだと勝手に理解しよう。だから図に乗って揶揄して留飲を下げているわけでは、決して無いのである。念のため。

まだ未開封だけど、透明な袋に入っているのは懐かしいガーゼのマスクだ。そうそうこういうマスクだった、と遠い目になってしまうのは立派なジジイだからだろう、恐らく。遠い昔、小学生だった頃、風邪をひかないよう冷たい空気から喉を守るため母親が用意してくれたマスクだ。

そして不幸にも風邪をひいてしまうと母親は摩り下ろしたリンゴをガーゼで濾してジュースを作ってくれた。要するに、そんな巨大な水の分子すらを透過するガーゼで出来たマスクにウイルスに抗うどころか、飛沫の拡散を抑える事を期待するのはお門違いだろう。つまり、アベノマスクに新型コロナウイルスに対抗しうる機能など無いことは素人目にも明らかだ。きっと駅馬車を襲う強盗団がするように首に巻いたバンダナを鼻の上まで摺り上げたほうが、むしろ顔を広く覆ってより効果的だろうなと思うのは、決して皮肉などでは無くて、あくまで西部劇ファンだからだ。念のため。

466億円というアベノマスクの価格に、外出を自粛中の、つまり無収入のフリーランスフォトグラファーとしては大きな溜息しか出ないが、ともかく普段使いは、推奨されないとされる、不織布のサージカルマスクを洗っての再利用を続けよう。背に腹は代えられぬだからね。そしてこの高価な国家頒布のマスクは、いよいよという時の伝家の宝刀として保管しよう。ただ製造元も記載されてないポリ袋に入っただけの出所不明のマスクをいきなり装着するのは憚られる。さすが伝家の宝刀は抜くまでには大分手が掛かるのである。