2014年8月8日 10コ進む。

Nikon D810 AF-S 58mm

Nikon D810での高感度動画の切り出しである。

なんとも今更であるが、D810の説明会に昨晩参加した。いつものAPA内での一種クローズドな会である。

未だ買ってなかった？と言われたが、買うどころか初見なのである。因みにその問には買えないと答えた。甲斐性がない、とか卯建が上がらないとか自虐的理由はいくつも用意できるのが哀しい。

既出の通り先代のD800は随分オアズケの後導入した。東日本大震災や製造拠点であったタイの洪水でスケジュールは大混乱を何とか乗り越え、報道向けにウエイトを置くD4とベーシックな部分を共通化しながら広告系ユースにも明確な正確分けを与えたデジタルカメラならではの上手な商品展開も功を奏したか入手困難な人気機種だった事は記憶にあたらしい。

D800は確かに良い写真機である。記号としての最大の特徴であるデジタルバック並みの画素数を捉えての賛否に集中してしまうことが残念な高いレベルでまとまった使いやすい万能カメラなのである。勿論、一つの画素はひとつの情報しか記録し得ないデジタルフォトにとって画素数の多さは正義だ。

とは言え後にD600の登場で更に不満が募る欠点がいくつかあった。まずクソ持ちにくいグリップだ、細く薄い上に下方に向かってテーパー状とまるで意味がない。個人差も有るだろうしコンナものだろうと我慢していたらD600はきちんと持ちやすい形状で登場したではないか。クソうるさくてショックも大きいシャッター回りもそうだ、ユニットが異なるとは言え静かで滑らかなシャッターをD600は搭載している。ストロボの発光量と露出を独立補正できないというクソ馬鹿野郎な仕様もD600には見られない。邪魔なだけの各接点部のクソデカイ蓋もD600はそれなりに独立して小さくなっている。クソ飽和しやすいR信号もD600の方がいくらかマシだ。

こう書くとD600こそ良いカメラでD800はクソッタレなのであるが、やっぱりD800は写真機として優れており、D600はヒエラルキーの存在証明か大幅に劣る操作性や機能で静止画も動画も撮影に残念感が強い違う路線の写真機なのである。ただ確かに目的もなく写真を撮りに出向く時にD600を手にする事が多いのは、けっして重さや大きさのせいだけではないと思う。

2年を経て機種名の数字が10進んだ。三桁の数字が機種名なので、きっと100進むと新型に変わるのだろうから10ではほんの少しの変化だと想像したのは気の利かないギャグセンスだ。ともかく発表資料を見ると外観だけでも随分異なっている、変わらないボディなどと明後日な表現のレヴューも散見するが、内蔵フラッシュ部のオーバーハングまで変えてきているボディは新機構のミラーボックスを含めきっと新規に起こした金型だ。

色は恐らくD4sと同様の思想に成ったのだろうと想像している。ただ僅かなサンプリングだが動画の質感はD4sよりシャープで色乗りが良いと感じた。フィルムライクな写りだ、そしてグレーディングのためにはフラットという新しいピクチャーコントロールを用意するなどソフト面も随分進化している。

もともと良いカメラだったのだから、数少ないクソッタレが修正され進化しているなら、新たな機種が誕生するより遥かに歓迎できることでありニコンの商品展開に改めて敬服である。

ただニコン機に共通する一部フォトグラファーが不満とする欠点は10の進化では改善されなかったことを、みんなの前で質問されるより先にと開場前にニコンの中の人に説明された。必要で無いフォトグラファーには全く意味を持たず、必要とする、特にブツ撮りをするフォトグラファーには必要なその機能を以前より望んでいた。そもそもその機能を理解をしてもらうのも難儀で、ニコンの構造上の機械的制約も踏まえ要望し期待をしていたのだったからその時点でD805に格下げなのだが、実機を試すと変則的な方法だけど、その機能が可能のようでもあり時間がなく確証がないままD807くらいの位置づけである。

なにしろ生産規模が大きいだろうタイ生産となったのに、相変わらず納期に時間が・・と言うことで、テスト機も数が少なく次の都合からそのままテストに貸出が出来ないと詫びられた。暫くはNikon D807である。そして、えっ未だ買ってないのと言われたら、納期が未定でさ〜と口実も追加だ。

因みにD810に対し一部で話題となっている特定の条件下の現象についてはニコン内部で確認中だそうだ。

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