2012年3月11日 過ぎていくことと残ることと。

３月11日14時46分がやってきた。

一年がたった、同じように今日も東京は穏やかな天気である。

昨年使用した写真を再び使用した。被災した松島基地に所属するブルーインパルスが蒼空に描くハートと、昨年末までアピールした、本業では無いので些か拙いデザインではあるが、あの日に作った応援シンボルを再びである。

あの日は仕事部屋でコンピューターのディスプレイに向かっていた時だった、長く大きく揺れた。いつか来ると言われていた東海か関東の大地震がついに来たかと緊張した。手元にあったニコンD7000を持って表に出ると隣家のブロック塀が波打って揺れていた、電線も音を立てて揺れる、家が潰れるのかも知れないとも思った、脇に停めたシトロエンC5が見たこともないように揺れる下を”我家の野良猫”がパニックになって走り抜けて行った。

買って間もなかったD7000の操作が咄嗟に出来ない、メモリーカードの空きを作ろうとするフォーマットに手間がかかり動画を回し始められたのは次の揺れの頃だった。報道系を意識しただろうニコンのクイックフォーマットは俄ユーザーには却って解りにくい。

散乱した室内は明確に揺れの方向を示していた。東西方向のものが落ち散乱していた。

取り敢えずつけたテレビでやっと、本当が見えてきた。

あれから一年が過ぎた。これから二年も三年も十年も二十年もやって来る。

取り敢えず一年目の今日である。