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2011年4月9日 心配と不安。 [日常]

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Nikon D7000 AF-S18-200mm

桜も満開になり春は来た。
しかし未曾有の災害、余震と言うにはあまりに大きな地震、放射性物質、そして一向に上向かない仕事。心配と不安には事欠かない。

猫が何処かへ行ってしまった。心配事は増えるのであった。日本のおかれている状況を鑑みればあまりに些細な出来事ではあるがあの猫が帰ってこないのである。

もっとも、既出の通り飼い猫では無いのであるから帰ってこないという表現は正しくない事は認識している。しかし彼女の行動半径の中心は間違いなく我が家であった。朝夕の食事の時間はもちろんの事いつも傍らに居た。まるで犬の様に付いて歩いた。帰宅時には、何時であれ徒歩でもクルマの時も彼女は道路まで迎えに出てきてくれた。仕事道具をクルマに積み込む時はルーフに乗って跳ね上げたリアゲートの窓越しに覗き込み、その後そっと確かめるように荷室に乗り込むのであった。時には話したい事が沢山あるのか早口でなにか捲し立てる事もあった。

怒りん棒の母猫に守られた生後数日の時我が家の小さな二階のベランダに突然現れた。子猫は一匹だったから生まれたのは正確には他所であろうが目も開かない彼女にとって我が家が生誕の地ある、と思っている。成長とともに一時は姿をけした親子はしばらくして今度は玄関前に現れ、やがて新しい恋に走った母猫とは別れて実質上我が家の一員となったのであった。避妊手術はショックな経験だったろう。そう、思い出話はいくらでもある。

数日前玄関を開けると何時もの様に現れた彼女は元気がなさそうだった。普段は力一杯体を押し付けてくるのに黙って傍らにうずくまり餌も食べようとしない。おしゃべりな彼女なのに話しかけても無言だった。だいぶ長い時間撫でられながらうずくまっていた彼女は、やがてゆっくりと歩いて離れて行ったのである。こんな事は無かった、振り返りもせずゆっくり歩いて行ってしまった。

帰ってこないのである。そのまま一度も姿を見ていない。元気の無い後ろ姿に心配と不安は日をおいて増大するのである。そんな事を言っている時ではない事は毎日の新聞の一面記事で解ってはいるのに。

タグ: 野良猫 ネコ
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