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2010年2月6日 ゲージュツの、春。 [日常]

nomansland.jpg
PENTAX K20D DA16-45mm

春である。暦の上では立春も過ぎ、春なのである。
数えるのが億劫なほどの豆を食べ、小声で玄関先に豆をまいて立春を迎えたのではあるが、当然寒い。気象的には年間でもっとも寒い時であるが、今年は別の要素で一段と寒いのであった。

禅宗の寺で立春に見かける『立春大吉』は、表からも裏からも同じに見える(勿論縦書きで)ため侵入を図った鬼が内か外か混乱して入り込めなくなるように掲げられるそうである。中吉でも小吉でも同じじゃないかとツッコミを入れていたのは小倉サンである。

で関連はまるで無いのだが、行きそびれていたフランス大使館の『NO MAN'S LAND』に出掛けた。

老朽化した旧フランス大使館の建物を用いての創造と破壊と銘打たれたアート展である。取り壊される建物そのものをアーティストが好き勝手に使って表現を試みているのであるが、廊下に面して同じ大きさの部屋が連なる建物の構造と相まってさながら高校あたりの文化祭を思わずにはいられないのであった。

インタラクティブな作品や制作を続けるアーティストが居たりと気楽で自由な展示は楽しいのである。共同主催の中にシトロエンとプジョーのロゴがあり、それぞれの部屋はあったもののまるでアートとは無関係な展示であった。プジョー207を使った作品が前庭にあったが消化不良のアートだった。せめてシトロエンのコマーシャルアートを展示して欲しかったものである。あるいはファサードに2CVを1台置いておくだけでも十分にアートだと思うのはアタシがシトロエン党だからであろうか。

兎に角このno man's landのもう一方の興味は、なんと言ってもフランス大使館(正確にはだった建物)にどうどうと正面から侵入出来る事である。かって大使館内部で撮影という話が無かった訳ではないが自由に隅々まで見られるチャンスは今回くらいであろう。無論、フランス大使館そのものは隣の超モダンな新築に引っ越しているので、あくまで大使館だった建物を見るだけなのだが、コンセントの形状や暗室の存在に想像力の広がるアタシだった。

ところで、地下鉄の広尾駅を出てフランス大使館に向かう道を誤ったのだった。かってはこの近隣にあったいくつかのスタジオは常連で街にも土地勘があった、ましてや広尾はシンプルな街なのに思い込みで異なる道を進んでしまった。まさか地下鉄の出口に『立春大吉』が掲げられていたのであったろうか。



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